限りない日々の逃走劇

主にtacicaを褒め讃えるためのブログです

今更!『スーパーダンガンロンパ2』感想

はい、発売から10年以上経ってようやく『スーパーダンガンロンパ2』をプレイした時代遅れ人間の感想です。

 

いやー、無印に引き続きこっちも超名作でした(今更)。
かなり理想的な続編なんじゃないか。

ちなみに無印の感想はこちら。

ahobird.hatenablog.com

はい、露骨なアクセス稼ぎです。

まぁそれは置いといて。
全体的に前作よりパワーアップしていて本当に素晴らしいなと。
事件の難易度、トリックのクオリティ、ゲームシステムの改善とどれをとってもより磨きがかかっていて言うことなし!

特に大きいのは”超高校級の〇〇”を活かした展開作り。前作ではほとんど事件に絡まなかったこの設定が今作ではバリバリ関わってくるので、非常にユニークです。プレイ前に想像していたダンロンに近いのは本作の方かな。
超高校級の才能を活かしたトリックを使うと犯人が簡単に特定できてしまうという懸念もあったけど、そこら辺の塩梅は絶妙で、犯人が分かったタイミングで漸くわかるくらいの難易度に設定されている。

そして触れなくてはならないのが例のあの人なのだが、まぁこれは何の先入観も持たない方が絶対楽しめるだろうから初見さんの為に触れずに、ネタバレ感想の方でがっつり書きたいと思います。
......まぁもう今からやるって人ほぼいない気がするけど。

あと、続編における最も重大な点である「前作要素の扱い」なんだけどここも上手かったなー。
こっちも詳しくはネタバレの方で話すけど、飛び道具と盛り上げの両方に貢献していて凄い。続編における不安要素が見事にクリアされてますね。

あとはやっぱり終盤の展開かな。
これでもかとばかりに伏線を回収して、大風呂敷を畳み切るから大したもの。ちゃんとラストに盛り上がりを作れる、デスゲームものの鑑だね(誰から目線)。

 

ネタバレなしだと語れない要素ばっかりだから、ちゃっちゃとネタバレありの感想に移りましょ。

あと、ダンロン2自体が前作のネタバレを多分に含んでいるんで、絶っっ対に!前作からプレイしたほうがいいですよ。
なんならパッケージが若干ネタバレしてるもんな......。

 

ー以下ネタバレ注意ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは章ごとの感想です

プロローグ
プレイ時感想(箇条書き)

謎にスーファミ

うわ高山みなみさんじゃん!

いきなり不穏だな…

十神くんどうしちゃったんだよwww

今回は最初から16人なのか

ウサミちゃんなんか全体的にキツイな

修学旅行か…ろくでもないんだろうなぁ

!?ひと昔前のギャルゲーみたいなop始まった…手が込んでるな

明らかに苗木くんと被らせてるけどどうなんだろ?

今回もアクが強いキャラばっかだ

明らかにけいおん!意識だ…

その名前その見た目で飼育員なのか…

マジ声優豪華だな、知ってる人ばっかだ

ソニアさんの声ピンドラの陽毬の人か!

まぁ、余興でしかないよなー

十神くんがモノクマを知らない…?

実際コロシアイを待ってた自分がいるのが嫌だなこれ

前作からリアリティライン大分下がったな

モノミちゃん!?

おおーこっちが本物のopか。茶番にあれだけ力入れるのすごいな

 

 

 

一章
プレイ時感想(箇条書き)
【(非)日常編】

一気に物騒なルール追加されるのおもろいな

相変わらずモノクマは邪悪だなー

モノクマ劇場も継続か

罪木さん…そうはならんやろ

十神くんはそんなこと言わない

モノミ生きていたのか!あれで出番終了かと思った笑

これは無印を経験した十神くんな気がするが…

ガチャ改善されてねーじゃねぇか!

十神くん…成長したね(体重のことではない)

なんだこの漫才(困惑)

前作ネタからの自虐ネタ

そして安易な暴力オチ

めっちゃ前作ネタ擦るな…

小泉さんだけ普通すぎて怪しいな

品がないサービスシーンだ…

暗闇の中の殺人か

十神くんが最初の犠牲者かー!

 


【非日常編】

入り口、エスカレーターなのか…

それは違うぞ!

お!反論してきた

賛成かー、痒いところに手が届いてる感ある

狛枝くんこわ

七海さん重要人物なのかな?

えぇ…なにコイツ

待て待て絶対そいつじゃない

ナイス罪木さん!

えっ!中断!?

犯人当てないんかい!

ガンダム普通に喋れんじゃねぇか

罪木さんの品のないサービスシーン役に立つのかw

ポイ捨て禁止のルールまで伏線になるのスゲー

完っ全にコナン君の謎解き

十神くん…

邪悪狛枝

辛い動機やめてくれ〜

うーん、相変わらずおしおきは鬼畜

 

一章プレイ後感想

な、なんだこいつ(狛枝)ーーーーー!
色々噂は聞いてたけど普通にいい奴じゃんって思ってたのに、裁判入ったらイカレ野郎すぎて真顔でドン引きした。

もしかして今後こんな感じで、毎回狛枝がやらかすのか…?だとしたら麻耶もびっくりな変態趣向のミステリ短編集みたいになるのでは?

事件自体はとてもよくできてたと思う。ガスコンロを灯りにしたのとか盲点だったし防火扉の活かし方も見事。凶器の隠しどころからシームレスに犯人へ繋がるのも気持ちいい。


第二章
プレイ時感想(箇条書き)
【(非)日常編】

急に人生論語り出した…

なんで毎回風呂入らない枠のキャラがいるんだよ!

世界の破壊者…ねぇ

これは自社ゲームネタか

おっミッシングリンク

捕えられながら話術で揺さぶってくるのレクター博士か?

作中作、凝ってるな

C子が澪田さんっぽい?

一人だけウエットスーツなの怪しい

小泉さんか…いい子だったのに

 

 

【非日常編】

エスパー魔美だよね

やっぱりキャラに似せてある

無駄に曲いいな

クズリュウが二つクレジットされてたということは…

希望ヶ峰の音楽室だな

モノクマ(100%中の100%)

エスカレーターで上がってエレベーターで下るのすっげー無駄な気がする

なるほど意外な物理トリック、コナン感ある

西園寺さん、イキっても後で痛い目会うだけだぞ

風呂入ってない描写も伏線か!細けー〜

死体発見アナウンスの条件忘れてた

ペコさん…

竹刀なのは分かるが…どうやって?

PTA勘弁してくれ〜

司法に代わっておしおきよ!…ってコト!?

えぇ…

顔文字が致命的に古い

西園寺さんかわいそ

グミを残したのが完全に悪手だったな

細かく伏線張ってるな〜

ここでミッシングリンク

流石に通らんだろそんな詭弁

最後まですれ違ってる気がするなぁ、この2人

えっ!九頭龍くんも退場すんの?

終盤ピンチの所で駆けつけてくれるのかな?

モノミの立ち位置がわからん

 

二章プレイ後感想

狛枝くんが毎回事件に関わる訳ではなさそうでひとまず安心。ずっとあの趣向だったらそれこそ麻耶作品みたいな変態ミステリになっちゃうもんね(誤解のないよう付け足しますが僕は麻耶作品大好きです)。

この章のテーマはモノクマも言っていた通り”ミッシングリンク”かな。作中作であるゲームの登場人物がキャラクターと一致している事が中心…と見せかけることで九頭龍くんとペコさんの繋がりを消している点が上手い。”キラキラちゃん”でミスリードを誘っているのもあって、2人の共通点を読むのはかなり困難だったと思う。

ただ、九頭龍くんにそこまで感情移入できていないのもあってか、キャラ達と自分の間に大分温度差があったかなぁ。このままフェードアウトってことはないだろうし、今後の活躍に期待したい。

 


三章
プレイ時感想(箇条書き)
【(非)日常編】

西園寺さん…ぶきっちょとかの問題じゃない気がする

狛枝くんにまで否定されるの相当だぞ!

「振り向けばやつがいる」は知ってるが「風の中のあいつ」は知らんなぁ

アイテム所持によってイベント増えてそう

増えても嬉しいんだか悲しいんだか分からんな…

どうした九頭龍くん?

このゲームだとキャラ変は死亡フラグだぞ!

自分から死ににいったわ

ガンダムくん話してみるとただのいい奴だな

なんと言うか…、澪田さんのバンドって前衛的なバンドだったんだね

…ん?なんだこの展開?

なんだこのカオスな状況…?

ジョジョネタ好きだな制作スタッフ

絶望病…?

うわあ澪田さんが…

えっ!西園寺さんもか

 

 

【非日常編】

今までで一番不可解な事件だな…

おお!見立て殺人!

趣味の悪いオズ魔女パロディ映画だ…

まぁ割とよくある密室トリックだな

なるほど上手い目眩しだ

ジャスティスハンマー戦法だな!

見立てが半端なのは気になってたところ

スポットセレクト苦手

アハ体験だ…まっっったく気づかなかった

七海さんキレものすぎん?

間違ってて欲しかったけ罪木さんだよなぁ…

泣き落とされると逆に冷静になれるな

狛枝くん助かる

狛枝くん急に梯子外すのやめてくれ

くっそ手強いな罪木さん

ヒナタくん…!

七海さん実は40歳くらいなのでは?

明らかにお前なんだから諦めろや

恐ろしい病すぎない?

狛枝くんが引いとる

“あの人”はあのイカれた女のことだろうなー

おしおきアッサリだな

ロボ弍大…ってコト!?

 

三章プレイ後感想

今回は裁判前に犯人を読めた。まぁ密室トリックの種に気づいた時点で、逆にあの時扉を開けようとした面子の中に犯人がいるって分かるし。七海さんが病院の会議室を調べてるところなんかヒントが露骨だから大分簡単だった…と思うよ。ていうか七海さん凄すぎるな。あの時点で事件の全貌が分かってた訳でしょ?超高校級の探偵か?

一方で退場する人選は意外だったなぁ。罪木さんか澪田さんのどっちかは生き残るだろうと予想してたし、一度容疑者になった西園寺さんも安全圏にいると踏んでたので、まさか一気に3人いなくなるとは。

特に罪木さんは献身的に捜査してた印象が強くて、犯人じゃないといいなと願ってたんだけど…。その同情心は追い詰めるごとに消えることとなりました。……なんであんなのになっちゃったんだろうか?バックグラウンドが気になる。

前章からふと思ったけど、今作の動機は「誰かの為」で統一されてるような。罪木さんも一応”あの人”のために事件を起こしただろうし。こじつけ気味ではあるけど。

あと、ソニアさんが死ぬことを前章くらいから覚悟してたのに普通に生存してて逆に驚き。もしかしてワンチャン生き残れるのか…?

 


四章
プレイ時感想(箇条書き)

日常編

これスワンプマン問題とかにならないか?

フィリップ・K・デリックパロだ(積読済み)

人間のように泣いたのか?

大丈夫?D社に喧嘩売ってない?

お!78期のみんな!

ここに来て館ものになるのかー

九頭龍くん…成長したな

餓死とはまた直球な動機

面白そうなギミックだ

ラウンジで寝たら真っ先に狙われるだろうし仕方ないよね!

ロボット三原則アシモフだねぇ

まぁ…弐大だよなぁ、設定撒いてたし見立ての完遂もあるしな

 


非日常編

おお!ここで狛枝くん視点になるのか!おもれー

ノローグついて大体本心ってわかるの怖いな

急に脱出ゲームになった!

Trickネタ嬉しい

普通にムズくて攻略見た

予備学科の設定嫌にリアルだな…

そんなにイラついてどうした狛枝?うんこでも踏んだか?

なるほど、横ではなく縦か。めっちゃミスリードされてたな

ダミーとか訳わかんねぇこと言い出すなよ左右田!!

言ってること詭弁なのに、だいぶ苦戦した

オクタゴンの正体、こんなん分かるか!

左右田はもうダメだ(確信)

なるほど二大くんだけモノクマ太極拳に時間通り向かえるのかー

位置エネルギーは偉大

客室まで伏線とは…、やっぱ描写に無駄がないな

よく理解できるな日向くん

乗っ取った!?ほんと自由だな狛枝くん…

怒るのそこかよ!

ハムスターすげー

田中くん…、君が悪とは思えんよ

 

 

四章プレイ後感想

ここに来て館系のクローズド・サークル要素を入れてくるのは意外であり、しかも完成度が高い。二つの館に共通の塔。ミステリファンであればまず館自体が回転していると考えるのではないだろうか?実際僕はそう予想していたので、館が上に重なっていた真相は盲点だった。

また、もう一つのメインの謎である極上の凶器の正体もセンスがあり、トリックとして面白い。人類が生まれる前から存在してる凶器だもんなぁ。

あとは純粋にガンダムくんがいいキャラだった。前作のセレスさんといい、最後の最後まで自分が作ったキャラを貫くのはやっぱりかっこいい。動機に関しては解釈が分かれる所だろうけど、100%自分のためだけにやったとは個人的に思えないかな。ソニアさんに惹かれてる描写もあったし。

一方、ゲームとしては大分難易度が高かったです。左右田がダミーの弍大とか変なこと言い出す上、どの弾を当てればいいか迷ったので相当イライラした。あと、オクタゴンのスポットセレクトは許されない。確かに八角形だけど…ありゃわかんねぇよ!

 

 

 

五章
プレイ時感想(箇条書き)
【(非)日常編】

日向くん人間味あっていいなぁ

ジョジョネタ多すぎだろ

狛江くんヤバすぎん?

爆発で吹っ飛んで無事なのもノルマなのか?

狛江くんがイカれすぎてて普通に本物だと思ってた

狛枝くんここで死ぬんかー

 

 

【非日常編】

曲かっこよ!!!(エコロシア)

殺され方エグいな…

詐欺師!?

十神くん成長したなぁ…とか後方親面してたのに

情報少ない上、一応議論を回してくれてた狛枝くんもいないが大丈夫か?

モノミさん…

メンバー少なくなったなぁ…

いきなり難しいなぁ…

てめぇら真面目に議論しろ!

七海さんと九頭龍くんだけが救い

痛い痛い痛い

ドン引きだよ狛枝くん…

狛枝くんボロカスに言われてて笑う

モノミちゃん…!

毒殺には全く見えなかったが

気化かーなるほど

ソニアさん怪しいな

狛枝くんへの理解度高すぎだな日向くん

消火弾自体に入ってたのかー!なるほど

嘘だろ!!?犯人当てるの絶望的じゃねぇか!!!

性格悪すぎだろ狛枝…

どうすりゃいいんだよこれ……

どんな精神構造してたらこの計画思いつくんだよ

やめてくれー!選びたくないよーー😭

辛すぎる

俺に選ばせるのかよ…

この流れでパロネタすんのか

やっぱ帰ってきたドラえもんパロだよなw

いいこと言うなぁモノミ先生

…….......はぁ

結局このカウントダウンは何なんだ

!!???!?

何…これ?

 

五章プレイ後感想

2の五章はヤバいみたいな噂は聞いていたけど本当にヤバいっすねこれ!
ルールの裏をつくと言うか、このゲーム、この設定、そして狛枝凪斗というエキセントリックなキャラまで用意して漸く完成する仕掛け。いやはや見事。

狛枝くんの自殺まではまあそうかなと予想は付いたけど、まさかここまで狂気じみた計画とは流石に想像の域を超えている。真意が分かった時は「嘘だろ!」って声を上げてしまった。この感じは出来の良い本格ミステリのそれと一緒だと思う。

犯人選びへの展開も上手い。再三にわたって狛枝くんの超高校級の幸運とイカれっぷりを描写してただけあって、あの推理を認めるほかない(ミステリファンは伏線に従順)。何より七海を選ぶのが辛い辛すぎる。あまりにも辛くて泣いた。わざわざプレイヤーに選ばせることねぇだろ(しかも2回も)!!!

前作から思ってたことだけど、人の心を理解して敢えて粉々に砕こうとしてくるよね製作陣の方々。ほんといい趣味してらっしゃる(皮肉)。

さて、後は真相だが果たして。

 


0章

???????

おおー、懐かしの希望ヶ峰学園だ

 

6章
プレイ時感想(箇条書き)

卒業試験…?

カムクライズル…誰?

スピンオフの宣伝じゃねーか!

急にメタ発言が増えたな

江ノ島に様付けすんのか

集団自殺!?

あぁ生き残りの保護か…なんとなく掴めてきたかも

西園寺さん???

上下反転してるー!?

演出気合い入りすぎてて目が疲れる

アルターエゴくん!

苗木くん!

舞園さんのダイイングメッセージのことだよね

苗木くんやっぱり精神的に強すぎるんだよな

この面子で裁判やるの不安すぎないか?

議論回せるの日向くん以外だと辛うじて九頭龍くんが入るくらいじゃん

めっちゃメタいし強引だけど、露骨に伏線張ってたからなんも言えねぇ…

数年くらいでそんな背伸びる?

うるせぇ!七海は生きてたんだよォ!

苗木くーん!!

一応希望ヶ峰の生き残りではあったのか

なるほど狛枝くんの行動に説得力が出てくるなぁ

マジ碌でもねぇなエノジュン

えぇ…狛枝くんマジで狂ってんな

やっぱ苗木くんはそんなこと言わないよな

出る方が罠とは思わなかったな

いや、お前かーい!

デカすぎんだろ…

みんな!この碌でもないクソ女の口車に乗っちゃダメだ!

苗木くん!!!!!

本物の苗木くんは眩しさが違うぜ!

計画が悍ましすぎるだろ…

うわー、ここで修学旅行のルールが活きてくるのか!

「それが江ノ島盾子なんだ」で全部説明できるのズルい

苗木くんが眩しすぎて目が潰れた

み、みんなー!(AA略)

霧切さんのドヤ顔がまた見れて嬉しい

葉隠も来いや!

コロシアイという手段を取ったことにまで説明つけるのすげー

え!?日向くんは超高校級の予備学科生じゃないのか!?

十神くん相変わらずの噛ませっぷりだ

元々碌でもない学園だな希望ヶ峰

日向くんかわいそすぎん?

このゲーム性格が悪すぎるだろ

??????

七海…

これが俺たちの未来だああ!!!

ウサミ先生!!

一寸法師感あるよな

いい前作キャラっぷりだな

この3人の話めっちゃ気になるなー

日向創として生きていけるんだな…

 

六章プレイ後感想

ま た 江 ノ 島 か

まぁコロシアイなんて道徳心の欠片もないゲームを開くのコイツくらいしかいないだろうから仕方なくはある。BIG江ノ島インパクト抜群だし、人類総江ノ島化計画とか目的が荒唐無稽すぎて前作よりヘイトは薄れた気もする。コイツが介入しなかった場合の平和さを考えると最悪もいいところだけどな!

15人全員が希望ヶ峰の生き残りかつ絶望の残党っていうのはだいぶ意外だったかな。本来はみんな3章の罪木さんみたいになっているって事でしょ?嫌すぎる。
それを踏まえた上で振り返ると、5章の狛枝くんの行動が超合理的だと分かるのが面白い。管理者側である”裏切り者”だけを生き残らせれば、卒業が選択されずアイツを幽閉できるもんね。狛枝君ができる範囲ではあれがベストな手法と言える。
......それはそれとして、あの計画を思いついて実行に移せる狛枝君はイかれてるけど。

 

日向創=カムクライズルは完全に予想外だった。脳手術した結果できた別人格の超天才とか予想できるわけないでしょ!
でも、人一倍強い希望ヶ峰への憧れや、凡庸な自分への劣等感が細かに描かれているだけあって、日向くんの心情的には全く自然な選択なんだよね。そこらへんの人間味が日向くんの良さであり、本作のメッセージに繋がっている気がする。

苗木くんたちが駆け付ける展開はベタだけどやっぱり熱い。「学級裁判太陽編」が流れるのもめっちゃ熱い。改めて客観的に見ると苗木くんは超高校級の希望というほかない前向きさだなぁ。
あと十神くんが余計なことしか言ってなくて笑った。他二人が全力で説得に回ってるのに、十神くんだけ強制シャットダウン連呼してるのおもしろすぎる。あの場面だと絶対偽物の方がマシなこと言えるだろ。十神くんらしいと言えばそれまでだけど。

終盤の絶望からの逆転劇も、前作同様熱かった。
ここまでずっとプレイして日向くんに肩入れさせたところで、人格が消えてしまう事を突きつけられる絶望感ハンパない。高山みなみさんの熱演も相まって、日向くんの悲壮感がひしひしと伝わってきた。
そんな絶望の底から救ってくれるのが七海なんだから堪らんよね。ヒロイン力が高すぎる。自分たちを信じて自ら犠牲になったヒロインの言葉で覚醒する。完全に少年漫画の文脈。

ただちょっと演出がクドく感じたのと、セリフの一部に気恥ずかしさを覚えたかな。
ここらはまぁ人による点でしょう。自分がツマラナイ大人になったせいでもあるのかも。

なんにせよ、最終的に「自分を信じて未来を創る」という普遍的で人間賛歌なメッセージを打ちだして締めるのがやっぱり好き。ロジックが支配するデスゲームものを、最後に希望のゴリ押しで覆すのがこのシリーズの魅力だよね。
......なにやらV3で台無しになるとの噂を聞いて戦々恐々としてるけども(V3のネタバレ?)

 

 

続いて全体の感想です。まず良かった点から。

良かった点

・前作よりオリジナリティの上がったトリックの数々

・狛枝

・人間味のあるキャラ

・ゲームシステム面の改善

・前向きなメッセージ

 

・前作よりオリジナリティの上がったトリックの数々

性別誤認や双子の入れ替わりなど、既視感のあるトリックが目立つ前作に比べて2は全体的に奇抜なものが多かった。一章からし狛枝のせいで状況が全然掴めないし、本チャンの殺害方法も”床の穴から串刺しにする”というなかなか凝ったトリックで面白い。
花村くん殺意高いな。

個人的に前作で一番がっかりなポイントだった「超高校級の才能が事件に絡まない問題」も今作では完全にクリアされている。二章の竹刀とか四章の破壊神暗黒四天王とか。
特に5章の”絶対に指定できない犯人”が超高校級の幸運により誰か判明する流れは痺れた。そうそうそう、こういう特殊設定ミステリを求めてたんだよ!

勿論無印も大好きなんだけど、”ダンガンロンパ”という作品に求めているものに近いのはこっちだったかな。

振り返っていて気づいたんだけど、2章でペコさんが言った「私はぼっちゃんの道具だから真犯人はぼっちゃんで私は凶器にすぎない」という論法を否定させたのは5章の展開の予防線だったのかも。
(九頭竜くんはそんなことしてないけど)あらかじめ、”誰かが殺人をするよう仕向けたとしてもクロは実際に殺した本人”だと示しておくことで、自分を殺させる状況を作った狛枝ではなく引き金を引いた七海が犯人というジャッジに正当性が生まれるようにしたんじゃないかな。
シナリオライターの人本当抜け目ないよな......。

 

・狛枝

良くも悪くもダンロン2はコイツありきの作品だろ。

最初から最後まで場をかき乱して退場してったからな。実はいいやつみたいなこともなく。
混乱を招くだけならただの狂人として割り切れるけど、滅茶苦茶切れ者なのが厄介極まりない。大体の事件で真相に一番乗りしてるし、チートじみた幸運の能力を自覚して使うし。なのに自己評価低いのが質悪すぎ。マジでなんなんだテメェ!

......とまぁ、ムカつく点は枚挙に暇がないけども、好きか嫌いかで言えば好きなキャラです。
狂信的なまでに希望を信じているというのが苗木くんとの対比になっていて面白い。同じ希望を信じるキャラなのにここまで差が出るの凄いよね。

苗木くんと言えば、名前がアナグラムになってる上、声優さんも同じなのに結局ただの他人ってのはどうなのよ。ミスリードなのは分かるけど、さすがに何かしらの関係はあってほしかったかな。

あと、語り草になってる「それは違うよ...(ネットリ)」が議論では一回しかでてこなかったのも意外だった。
まぁインパクトが馬鹿でかいから、あれだけで記憶に刻み込まれるんだけど。

一番印象的なのはやっぱり五章。どんどん狛枝の狂気に近づく緊張感が良かった。
あの行動原理も、希望を最優先した結果なのが天晴れとしか言えない。
やっぱり自分のルールを守る狂人って魅力的に見えるな......。

狛枝がいたからここまで面白い作品になったと思う。

それはそれとして最悪なヤツだけど。

 

・魅力的なキャラ

ここはまぁ前作同様ですね。個性豊かで十人十色。

ちょっと違う点としてはメインキャラ(日向、狛枝、七海)にスポットがあたる事が多かったかな。
終盤の盛り上がりはそれまでの掘り下げあってのものだと思うし、個人的には好きなポイント。

ただ、最後に残った面子が日向くん以外何となくパッとしない気がする。終里さんとか九頭竜くんとか大きいイベントあったのになんでだろう?

狛枝、七海の両名は散ってこそのキャラだから仕方ないけど、せめて澪田さん、罪木さん、ガンダムくん辺りのうち一人くらい残ってほしかったな。
......推しが躊躇なく死ぬのが醍醐味のゲームにこんなこと言うのも野暮か。

以下、個人的に好きなキャラ4人(さっき話した狛枝は除く)

 

日向くん

インパクトでこそ狛枝くんに持っていかれるが、メインストーリーは終始日向くんの成長譚だった。

日向くんのよさは何と言ってもその人間味だろう。
前作主人公の苗木くんが平均的人間を自称しておきながら超人的前向きさを持っていたのに対し、日向くんは悩むし挫けたりもする。そういう一面があるからかなり感情移入しやすかった。

予備学科に入りたがる心情もリアルで、胸が痛かったですね。(僕含め)このゲームをプレイしている人間の大半が”超高校級の才能”なんてもの持ってないだろうし、それに憧れる感覚にも共感できると思う。

だからこそ、自分を信じて未来を創るというメッセージが重みをもってくるわけですよ。ここらへんに関しては後述。

後は高山みなみさんの演技が本当に素晴らしかった。
コナンのイメージが強いけど、プレイしている最中ほとんど意識しなかったもん(ただしクライマックス推理だけは完全にコナン君)。
苦悩するシーンの悲痛さや、覚悟を決める場面の勇ましさには圧倒された。
特に好きなのが精神世界(?)で七海に内心を吐露するところ。軽口風味で弱音を吐く感じがすごくいい。そう思いません?

苗木くんという模範的な主人公の次に、また別のベクトルでこんだけ魅力のある主人公を生み出せるのすごいなぁ。

 

七海さん

圧倒的ヒロイン力。
人気投票で狛枝に次ぐ2位だったのが納得しかない。

序・中盤は何かよく分からないけど推理力めっちゃ高い人くらいの印象だったけど、四章あたりから好感度がストップ高だった。

普段のおっとりした口調とマイペースな雰囲気からは考え付かないくらい議論では頼りになりました。前作の相棒枠(?)だった霧切さんは才能の性質上、常に答えを知っていて主人公の苗木くんが言わばワトソンポジだったんだけど、七海さんは日向くんと意見を交わしながら答えを出すスタイルだったので、より相棒感が出てたと思う。
その意味では狛枝が前作の霧切ポジなのかもしれない(霧切さんに超失礼)。

五章の展開は本当に心が痛んだ。
だって七海なんも悪くないじゃん!なんで選ばなきゃいけないんだよ!
裏切りを自白する場面は事情を踏まえると、より印象深くなる。立場上、黙っていなくてはいけないのに、みんなへの情で名乗り出るのがほんとね......。こんなん好きになるに決まってますやん!

六章の振る舞いは言わずもがなですね。ムーブが強すぎる。
七海の言弾で状況が打破されるのが最高に熱いっす。来てくれるんだろうなー、と予想はしてたけども実際にお出しされると盛り上がらざるを得ない。
やっぱこの開発陣って結構王道な展開好きだよね。
......俺も好き。

余談だけど「...と思うよ」の口癖が使い勝手良すぎてたまに真似してしまいます(キモイ)。

 

ガンダムくん

厨二ボーイ。
名前といい、格好といい、言動といい、出オチもいいとこなんだけど話せば話すほど普通にいいやつなのが面白かった。
そもそも”超高校級の飼育委員”の肩書の時点でいいやつ感を隠せていない。

通信簿イベントでの発言が、逐一命の重みを捉えていて好感しか持てなかった。「生き物を飼うんだったら最後まで面倒見るべき」とか言ってるやつが悪を名乗るの無理があるだろ。

表の厨二要素は......、まぁ痛いなって感じ。
たまにマジで何言ってるのか分かんない時でも日向くんが翻訳していてすげーってなった。

退場する四章もかなり印象的。
命を大切にするガンダムくんだからこそ殺人を犯すっていうロジックが面白いよね。
......まぁ相手メカなんだけど。
ばりばりトリックを仕掛けてた以上、みんなの為の殺人ってわけではないと思う。でもあそこでガンダムくんが行動を起こしてなかったら共倒れだったわけだし仕方ないよ。

てか四章だけ動機作りが直接的過ぎる。やっぱり江ノ島ってクソだわ。

散り際まで爽やかな、カッコいい男でした。

 

モノミ先生

ゲームを始めてから終わりまででこの人(?)が一番評価変わった。
いいウサギにも程がある!徹頭徹尾日向くんたち15人のことを思って行動してたんでしょ?健気すぎないか。

とは言え最初は本っ当に1ミリも信じてなかった。だって絆を深める修学旅行とか胡散臭いし、どうせあの畜生熊とグルなんだろって思ってました。本当にすみませんでした。

モノクマはおろか生徒たちにまで邪険に扱われてたの可哀そう。笑って見ていられたボコられるギャグ描写も、再プレイしたら絶対笑えないしむしろ悲しくなるだろうな。
許せんあのド外道熊。

五章で立ち向かう覚悟を決めた勇姿がとてもかっこよかった。
負けると分かってても生徒の為に奮起する先生......。教師の鑑じゃないか。

七海が自白するのを最終的に受け入れてるのもいいポイント。
あの議論で七海が退場すると、ほぼ確実にみんなが卒業を選んで人格を江ノ島に乗っ取られるという最悪なルートになるから、それを止めようとするのは当たり前だよね。
その上で七海の選択を、そして日向くんたちを信じるのがまた人格者ですよねぇ。

お仕置きの直前、生徒にかける言葉も優しさに満ちていて好き。
「他人に認められなくても、自分が自分を認められればいい」とかとっても優しくて大事な言葉じゃん......。

という訳で抱いていた先入観もあって、とっても印象深いキャラクターになりました。

 

 

・ゲームシステム面の改善

ここはやっぱりプレイしていて大きかった。前作でちょっと不満だったり、こうしてほしいなと感じていたところがしっかり改善されていた。なのでゲームとしては間違いなく前作より良いものになっていると思う。
具体的に上げると

・反論ショーダウン

・賛成の追加

・クライマックス推理

・ルールの後出しがほぼなし

・レベル制

・希望のカケラ周り

ここら辺。
特に反論と賛成の追加は議論してる感がかなり強まっていて良かった。
前作の苗木くんは傍から見れば、人の意見に口だしてばっかのいけ好かないヤツだったもんね(言い過ぎ)。意見に賛成できるのはかゆいところに手が届くようですっきりした。

その他だとルールの後出しがほぼなかったのも大きな評価点。
後だしするとどうしてもアンフェアさが出てしまうから、ミステリとしてはこっちの方が好ましい。しかも最初にあった修学旅行のルールが最後に活きてくるから展開作りが上手すぎる。やっぱり、後出しはせずに最初にあるものだけでロジックを築くほうがミステリとしてはおいしいなぁ。

後は細かなシステム周りの改善が良かったかな。
前作では自由行動の上限がキャラによって変わっていて不平等感あったし、スキルの入手も完全にキャラ依存だったけど、希望のカケラの導入で全員5回に統一されて分かりやすくなった上にスキル入手の自由度も増えたので見事な改善っぷりだなと感心。

改善だけじゃなく、モノミのミニゲームとか育成ゲーム(完全にた〇ごっちのパクリ)みたいな脇道要素が増えているのも面白い点だった。

前作からの改善を確実にこなしつつ新たな魅力を増やしていて、かなり理想の形の続編になっていたと思う。

 

・前向きなメッセージ

これも前作同様に素晴らしかった。
以下、キモイ上にクソ長い考察文章を垂れ流すんで飛ばすことを推奨します。

 

絶望的な状況に追い込まれて、それを希望の力で覆すという大筋は無印と同じ。
しかし、主に日向創というキャラクターにより、メッセージの方向性はかなり異なる。
前作主人公の苗木くんが絶対に絶望しない超人じみたメンタルを持っていたのに対し、日向くんは普通に絶望するし心が折れることもある。
それに、苗木くんは超高校級の才能を持つ人たちの中にあっても劣等感をさほど抱いていなかったが、日向くんはそこに大きな負い目を感じている。

そう、日向くんは徹底して普通の高校生なんだよね。
傷つくこともあるし、人に嫉妬することもある。
本作品のメインターゲット層であろう10代後半のティーンエイジャーが共感しやすい人物像になっていると思う。

そんな等身大の高校生である日向くんに課せられる試練は余りに厳しい。
才能を得るために手術を受けたが人格が変わってしまって、心の支えになってくれた七海の命を間接的ではあるものの奪わなくてはならなくて、その上世界を救う選択肢を採れば自分の人格が消え去ってしまう。
普通の高校生には到底受け入れられない事だし、日向くんがああいう風に「放っておいてくれ」と言い放ったのも十二分に理解できる。

だからこそ、七海の言葉により未来を信じることを選ぶ展開が、強く心に残ると思う。
他者の手を取って、自分の弱さと向き合って、やればできると信じる。
こう言葉にすると道徳的で説教臭く感じるけど、人間にとって凄く重要なことだよね。
人生において大事なメッセージを、こんな露悪的デスゲームを題材にした作品で打ち出してくれるのがこのシリーズの好きなところだなぁ。

ちょっと話が逸れるけど中学、高校の頃って残酷な作品が好まれる空気があったと思う(所謂中二病)。
古くは「バトル・ロワイアル」とか「リアル鬼ごっこ」、ちょっと前だけど「進撃の巨人」とか。
人が残酷な死に方をして、容易に命が散ってしまう世界観に惹かれる感じ。
結構身に覚えがある人が多いんじゃないかな?(かくいう僕も進撃にバリバリはまってました)
そういう過激な作風を求めてダンガンロンパに手を伸ばした少年少女に、ゲームを通して希望や信頼の大切さを示す事こそが、このシリーズの一番の目的なのかもしれない。

 

あと、今回のダンロン2は前作で突きつけられた「記憶を失ったらその間の時間は無駄になる」という絶望へのアンサーにもなっている。
無印では、閉じ込められた15(+1)人はクラスメイトで2年間共同生活を過ごしていた事実が最終章で発覚する。
これに対抗する反論自体は無印の中ではなかった。
しかし、それに対し今回は記憶を失っても残るものについて丁寧に描かれている。
七海の存在が失われ、七海を思い出す人間が誰もいなくなったとしても、彼女が守った日向くんたちが現実を生きている。
その事自体が七海の存在証明となる。
......うーーん、良すぎる。
エモいってあんま好きじゃない言葉なんだけど、言いたくなりますね。
あの苗木くんですら出せなかった答えに、普通の人である日向くんがたどり着くっていうのがまた良い。

 

前作の感想で、ほぼすべての事件で”信じる事”が重要になっていると書いた。
今作の事件もある統一されたテーマがあると思っている。
それは”献身”。
振り返ってみると、どの事件もクロは誰かの為に事件を起こしているんだよね。

1章:狛枝くんからみんなを守る為

2章:ぼっちゃんに手を汚させない為

3章:例のあの人の掲げた絶望を体現する為

4章:誰かが生き残る為

5章:(狛枝)全人類の希望の為

    (七海)生き残ったみんなの為

一部無理があるところもあります。
特に4章のガンダムくんは解釈が分かれるところではあるけど、個人的に彼は完全に自分の為だけに事件を起こしたんじゃなくて、最悪犠牲になる事も覚悟の上で、自分を含めた誰かしらが生き残る術を選んだと考えています。

他の誰かの為に手を汚す、自己犠牲の殺人。
創作作品において、献身は尊いものとして描かれることが多いと僕は体感している。
現に今作でもペコさんや七海の姿勢はまさに純粋な献身であり、尊い自己犠牲だろう。

そして最終章、主人公である日向くんも世界の為となる自己犠牲を強いられる。
世界の為に自分を捨てる。言ってしまえば創作作品ではよくある展開だし、主人公ならその道を選ぶだろう。

でも、日向くんは選べなかった。
「希望など絶望など関係ない」と言い放って、選択を放棄した。
それは創作作品の主人公らしからぬ言動かもしれないが、現実的に考えて当然のことだと思うし、作中でも否定されていない。
例えば希望を盲信する狛枝であれば真っ先に自己犠牲の道を選んだだろう。その殉教によって人類は確かに救われるかもしれない。
しかしながら作中での狛枝は完全に狂人として描かれている。希望の為だとしても、あんな残忍なやり方で自分自身を傷つけるなんて気が触れている。例えペコさんや七海のような美しい背景があったとしても、進んで自分を犠牲にできるような人間はどこか狂気を帯びているのだろう。

だからモノミ先生の「英雄になる必要なんてない」「無理に誰かに認められなくてもいい」という言葉は、道徳的に正しいがある種の狂気も孕んでいる”自己犠牲”の概念から日向くんを、そしてダンロン2をプレイしている人達を庇う為に発せられたんじゃないかな。

 

その後日向くんは自分たちと、自分たちを信じてくれた七海の為に強制シャットダウンを選ぶ。日向くんの人格を保ったまま、カムクライズルの力を得る展開はまぁご都合主義的ではあるんだけど、やっぱり熱くて好き。
おそらくカムクライズルは、日向くんが最後にああなる事まで見越して江ノ島アルターエゴを持ち込んだんだと思う。
人格が芽生えた時から無敵の才能を持っていたカムクライズル。誰もがうらやむ存在のはずの彼は全てに退屈していた。
生まれた時から何もかもが簡単にできて、すべて予想通りで、ツマラナイ。
全ての才能を最初から備えて生まれた彼は、何の才能も持っていないまっさらな日向くんを羨んだろう。だから、江ノ島アルターエゴを差し向けることで日向くんを覚醒させて、日向くんの人格を保持したままカムクライズルの才能を引き出せるように計画した......と、思うよ。
江ノ島パイセンマジ噛ませ犬
日向くんが自身の人格を維持したまま才能をもってこそ、初めて”超高校級の希望”になるんだなぁ。

そんな日向くんの救済が中心にあるのと同時に、本作は前作で解決できなかった問題に対するアンサーの面も持ち合わせていると思う。
例えば前作のラストの展開は、苗木くんが絶望しかけた周りの仲間に希望を突きつけるという展開だった。希望が絶望に打ち勝つ王道的話運びで、とても感動したのをありありと思い出せる。
だがこれはあくまで”希望が絶望に染まらなかった”だけなのだ。苗木くんという絶対的な希望が江ノ島の絶望に打ち勝った、というだけで絶望自体は救済されていなかった。
その観点でみると、本作は見事に”絶望の救済”が果たされている。そもそもあの修学旅行自体が、絶望に囚われた少年少女の救済が目的だった。
当初の目算から本当に紆余曲折あったが、目覚めた彼らは仲間が無事に帰ってくることに希望を持つことができた。
だからこのダンロン2は絶望した人間がまた再び未来に希望を抱くまでの救済を描いた作品なんだよね、きっと。

システムやミステリ的完成度だけじゃなくて、テーマも一歩踏み込んだものになっているのは素晴らしいなぁ......。
あらゆる面で"スーパー"な出来栄えで、こういうタイトル付けにしたのも納得しかない。

 

続いて悪かった点です。素晴らしい作品だったんであんまり腐すことを言いたくないけど、一応ね。

 

悪かった点

・ガチャが未だに面倒

・リズムゲーが存続している

・残った面子が何となく地味

・下ネタがしつこい上クッッッソつまらない

 

ガチャは引く時間が少し短くなっているっていう改善はあったんだけど、結局1回1回回さなくちゃいけないので大分面倒だった。ソシャゲの10連ガチャって、手間の観点で言えばいいシステムだったんだなって。とはいえ、システム面の不親切な要素はほとんど解消されていたので、不満はそこくらい。

リズムゲーはほんまどうにかならんか?あそこだけゲーム性違いすぎて浮いてるんだよなぁ.......。あと単に僕が音ゲー苦手なんでやめてほしいです(自分勝手)。

3つ目は結構大きな問題。残った面子が全体的にパッとしない。先述の通り、人気キャラ或いは人気の出そうなキャラを殺してなんぼのゲームだから仕方ないっちゃそうなんだけど.......ねぇ?前作で言う霧切・十神ポジの人間が両方とも退場してるのが大きな原因かな。しかし狛枝も七海も、散ることが前提のキャラだし難しいところ。
やっぱ澪田、罪木、ガンダムのうちの誰か一人くらいは残してほしかったかなぁ......。

はい、一番言いたかったのは最後の一つです。とにかく下ネタがつまらん。
笑える下ネタと笑えない下ネタがあると思うんですが、ダンロンのは圧倒的に後者なんですよね。全くもって笑えない。
......なんだろう?笑える下ネタって小学生にも通用する、ある種のストレートさがあると思うんですようね。コロコロを読んで育った人間なんで、ウ〇コ、チ〇コみたいなある種あっけらかんとした直球の言葉に美学を感じていて、そういったストレートな下ネタには寧ろ健全さすらあると考えています。
で、笑えない下ネタの何が嫌かって陰湿なんですよね。含みや暗喩を持たせて、言った側は腹の底でニヤついているような、そんな不健全さ。「ミユキちゃんは安産型だねぇ」みたいなこと言うオッサンとか典型だし、マジキモイじゃないですか。僕は絶対そんなこというオッサンにだけはならんぞ!

話が逸れましたが、ダンロンの下ネタは上のきめぇエロおやじが言うみたいな、ねちゃっとした陰湿さがあって、すっごく嫌いでした。
何が”男のしっぽ”だよ。おもしれぇと思ってんのか。
しかもそれを何回も繰り返すから苦痛でしかなかった。つまんねぇ上にしつこいんだから救いようがない。
超最高な5章でしたが、”男のしっぽ”発言だけは明らかにノイズだったし、それを連呼してた終里さんの事も嫌いになりかけました。
きめぇ下ネタは、汚ねぇ便所にでも書いておいてくれ。

 

まとめ

最後だけめちゃくちゃ貶しましたが、初代にしてすでに完成度の高かった前作を大きく飛び越える、素晴らしい作品でした!
やっぱおもしれぇわダンガンロンパ

謎の強度が全体的に上がっていて、歯ごたえがあったと思うし、何より5章は本ミス小説顔負けの大トリックで興奮しました。

キャラが葛藤する描写も真に迫っていて、特に日向くんがどん底から這い上がるカタルシスは他の作品では中々味わえないものでしょう。

私生活がちょっと忙しくて、V3に手を出すのは大分先になってしまいそうですが、絶対にプレイして感想を記事にしようと考えています。

よかったらそっちもよんでね(はぁと)。